PIAZZA代表 矢野晃平

街に広場が必要なんだ!!!

WeChatが成長した7つの秘訣(要約)

Y-combinatorのブログで、中国Tencentが開発・運営する、中国で圧倒的なプラットフォームであるWeChatの成長について書かれた記事が興味深かったので、それを要約してみました。※私が重要だと思う所を要約しいているので、一部省略もあります。

blog.ycombinator.com

WeChatの概要

  • 889M MAU
  • 1日平均滞在時間50分以上、9〜11回起動 (これはFacebookグループアプリ、FB、Instagram、Messengerの合算数値と同レベル)
  • ここまでの成長に僅か6年

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Lesson 1|Build your own competition(競合は自社でつくり、社内でディスラプト)

  • 2010年当時、TencentはデスクトップPC向けのメッセンジングサービス「QQ」で既に成功していた。MAUは650M
  • モバイルの今後の成長の鑑みて、QQのモバイル版も既に開発していたものの、デスクトップ仕様(大容量ファイル送受信、音楽ストリーミングなど)が負担となっていた
  • そこで、当時の主要プロダクトであるQQ Mailのチームから7人のエンジニアを中心にモバイル版QQの競合サービスに向け検討を始め、3ヶ月でWeChatの原型を開発
  • そして2011年1月にWeChatをローンチ。写真共有とチャット機能のみシンプルなアプリだった
  • 一方当時は、XiaomiのMiTalkという同様のサービスが既に5Mユーザー持っており、最初のローンチ時は順調な初速ではなかった。
  • 競合アプリから乗り換えてもらうには、そこには無い価値提供が必要だと考え、ローンチの3ヶ月後には、Voiceメッセージ機能を追加。(この機能はKakao TalkやTalkBoxから影響を受けた)
  • そして、これがユーザーに刺さった。。当時の携帯では、中国語を入力することが大変であり、Voiceでのやりとりの方が、ユーザーとしても直感的で簡単だし、パーソナルにメッセージが伝えられた。当時は音声、チャット、写真共有を備えた先進的なアプリとして、ユーザーに受け入れられ、Daily DLが一気に50-60Kとなる
  • 本件もそうだが、アマゾンが既存の事業(リアルな本のEC)から、それとカニバるKindleの展開をした様に、自身をDisruptできる文化が無いと、結局は他社に負けてしまう。

Lesson 2 | Design for Groups  "Group Effect"(集団行動力学)

  • ユーザーは単独の時と、グループに属する時の行動は違うことに、WeChatの創業者であるAllanは気づいていた。特にグループに属している時の行動に着目し、機能を追加していく
  • 他のSNSと同様に、WeChatも、ユーザーが登録した時にサービス内の繋がりが無いことを解消しようとしていた
  • Facebookは新規登録後14日以内に10人の友達をつからせることが、長期的な継続率に大きく影響するため、かなり注力していた。
  • WeChatはこれを”People Nearby”という、自分の周りにユーザーを可視化することで自分の知らない物理的近隣のユーザーに好奇心をいただき、同時にコミュニティに属している感を提供した。これにより、Daily 100Kの新規登録に成功
  • その後、QQとのユーザーが持つ、ソーシャルグラフを連結させる。これにより2011年5月には50Mとなり、XioamiのMiTalkを上回る
  • また、Shakeという(LINEのフルフルの様な)機能では、フルとランダムなユーザーとチャットできるというのも流行った。

Lesson 3|Extend Features from User's Inner Desire(ユーザーの欲望を満たす機能拡張)

  • サービスリリース2年目には、"Moment"という写真を限定したユーザーに公開できる機能を開発。少人数、限定された人数の方が強い繋がりをうむ。
  • これは米Path(Closed-SNS)を参考にして作られた。
  • Momentの機能は10人のエンジニアで4か月の間に30のモックを作り、開発された。この様なリーンな開発スタイルがチームの特徴
  • WeChatは独自のコンテンツのために"WeChat Official Account(OA)"をリリース。OAはメディアの様な役割で、ユーザーがそれをフォローして情報を得る。この機能はパーソナルに情報発信できることから、芸能人が利用し始めた
  • そして、OA機能は企業も、顧客にダイレクトにリーチできる媒体として、利用しはじめた。発信の頻度に関しては制限が用いられた。

Lesson 4|Big Idea Comes from Solving Your Own Problems(自分が直面している課題を解決することがビックアイディアになる)

  •  Tecentでは、毎年旧正月時に従業員に渡す紅包(日本でいうお年玉)を渡す労力に頭を抱えていた。
  • そこで、WeChat経由で紅包を渡す機能を実装。
  • この機能は、固定額渡すこともできれば、ランダムな金額(限度額が約$29)を渡すこともできた。これが中国のフォーチュンクッキーの様な感覚でのギフトでユーザーが受けた。特にパーティなどでは、誰が一番受け取れるかなどで、盛り上がった。
  • 2015年の正月に1B  紅包が渡されるまで成長
  •  紅包のやりとりには、お互いの銀行口座の取得が必要であり、これは今後の個人間送金事業への良い導入口となった
  • この仕組み、WeChat Pay、はDidi(中国のUber)との提携により料金の支払いに利用される様になった。その後、公共料金の支払いもWeChatでできるまで裾野を広げて行った
  • WeChat Payは2年間で急成長し、2016年には600M MAU / 日次600M 取引がなされている

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Lesson 5|Monetize Subtly(課金してもUXを落とさない様に)

  • WeChatは課金するとユーザーを成長させることは排他的ではなく、共存できる関係だと考えている。もしろ課金しながらもプロダクトUXを改善させている
  • Game Centerでのソーシャルゲームを友達と一緒にプレイできる様にした
  • 2015年1月にはネイティブアドを緩やかに導入。UXを維持するために、広告の表示頻度は最小限にしながらスタート。広告を出しても特にユーザー成長に歯止めはかからなかった。ネイティブアドもMoment上での一般ユーザー投稿と同じ様にした。広告に対してもコメント、いいねでき、それは自分と共通の友人しか見えない様にした
  • クーポン機能についてもソーシャル性を付与した。自分が使ったクーポンは自分の友達にもシェアでき、利用できる。シェアした側も何かしらのリワードを受ける。

Lesson 6|Measure What You Value / Not What You're Suppose to Do (自分たちが何に価値を置くか見極める)

  • ユーザー数獲得より、ユーザーにどれだけ価値を提供できているかを大事している。1日のサイクルの中で、どれだけユーザーの暮らしを助けているか。
  • エンジニア達へ届けているコアメッセージは「ユーザーでにどれだけ価値を付加できているか」
  • QRコードの導入は、Online-to-Offlineでつなぐを仕組みとしてブレーク

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Lesson 7|Don`t Play Favorites with Features(一つの機能に偏った設計をしない)

  • WeChatはいかにユーザーがアプリを通じて効率良く目的を達成しているかに重きを置いている。
  • 一般的にアプリの設計者は、いかにユーザーの滞在時間を確保するかを考える。
  • 一方で、WeChatはユーザーが一つの機能での滞在が長いと危険信号と認識する。WeChat内の他の機能を利用する機会が減るから。
  • Momentでは、表示する広告の数は限定しており、ユーザーに不必要な情報はなるべく表示しない様に努力している
  • また、ビジネスアカウントからの情報発信は、1日1回限りと制限をかけている
  • WeChatは多機能なサービスだが、UIは極限にシンプルにしている。
  • いまだに4つのタブのみ 1)チャット、2)連絡先、3)検索、4)プロファイル。プロダクトチームはタブを4つより増やさないことを大事にしている。5つ目のタブを増やすと、一番左のタブのコンバージョンを20-30%落ちるからだ。

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矢野の所感

WeChatは、圧倒的なユーザーファーストなプロダクト設計が成功の鍵だったことが見受けられる。全てがほんの些細なことなのかもしれないが、それを短期間でやりきっている。またユーザーに対して価値提供の幅の拡大を一直線に進める中で、シンプルなUI/UXを維持しているのは本当にすごいことだと思う。見習うことはとても多い。

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